2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウスを用いた新規軸糸構成タンパク質Rib72の機能解析
Project/Area Number |
05J11438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 隆 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | マウス / クラミドモナス / 鞭毛・繊毛 / 周辺微小管 / Rib72 / Efhcl / PACRG / NDK7 |
Research Abstract |
真核生物の鞭毛・繊毛軸糸の基本構造は、進化的によく保存されている。軸糸構造の保持に重要と考えられるRib72は、周辺微小管同士をつなぎとめている分子組成が不明なネキシンリンクと関連をもっているのではないかと推測されている。またこの蛋白質は周辺微小管内部の安定な構造に存在していることから周辺微小管の構築にも重要であると考えられる。本研究ではマウスのRib72ホモログと相互作用する蛋白質を同定すると同時に、運動性の鞭毛・繊毛を持つ真核生物によく保存され、DM10と呼ばれるドメインをRib72以外で唯一持つNDK7の研究を行うことによりRib72の機能に迫ろうとした。 昨年度までにRib72結合蛋白質候補としてPACRGというトリパノソーマでネキシンリンクとの関連が示唆されている蛋白質を同定し、この蛋白質が隣り合う周辺微小管の間に局在することを示していた。本年度はまず、可溶化した軸糸蛋白質に対するPACRG抗体を用いた免疫沈降法によって、Rib72が共沈することを示した。また、バキュロウイルスで発現させたPACRGを用いた研究により、このタンパク質がtubulin dimerや微小管と強く結合し、微小管を束化する性質があることを明らかにした。 さらに、マウスおよびクラミドモナスNDK7を認識する特異的抗体を作製し、局在・発現解析を行った結果、この蛋白質が運動性の軸糸を持つ組織に強く発現していることやクラミドモナス及びマウス精子の軸糸全長に存在することがわかった。ところが驚くべきことに気管では大量に発現しているにもかかわらず、繊毛ではなく細胞体に局在していた。また、この蛋白質が微小管と直接相互作用することも明らかにした。本研究ではNDK7とRib72との関係は示されていないが、さらにこの研究をもとに機能解析を進めることにより、Rib72の機能に関するヒントが得られることが期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] EFHC1, a protein mutated in juvenile myoclonic epilepsy, associates with the mitotic spindle through its N-terminus2006
Author(s)
Lauence de Nijs, Bernard Lakaye, Bernard Coumans, Christine Leon, Takashi Ikeda, Antonio V, Delgado-Escueta, Thierry Grisar, Grazyna Chanas
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Journal Title
Experimental Cell Research 312・15
Pages: 2872-2879