2005 Fiscal Year Annual Research Report
器官形成研究のモデル脊椎動物「メダカ」を用いた甲状腺形成機構の発生遺伝学的解析
Project/Area Number |
05J11459
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関水 康伸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メダカ / 甲状腺 / 濾胞形成 |
Research Abstract |
甲状腺濾胞細胞は濾胞を作ることによってチロキシンの貯蔵・分泌をコントロールしている。本研究では発生の過程において甲状腺濾胞細胞が濾胞を形成する仕組みを調べるために、メダカ誘発突然変異体を用いた解析を行なった。 本研究によって単離されたメダカ突然変異体folliclessは、甲状腺に異常を示す劣勢突然変異体である。ENUによって変異を誘発し、抗チロキシン抗体染色のパターンを指標にしてスクリーニングされた。 本研究ではこの変異体の原因遺伝子を特定するために連鎖解析を行ない、現在までに原因遺伝子をゲノム上の約190kbの領域に絞り込んだ。現在はさらなる連鎖解析が進行中である。 また表現型を詳しく解析したところ、folliclessには組織学的に甲状腺濾胞様の構造が全く認められないことが明らかになった。また、チロキシンによる免疫組織化学染色においても、発現パターンが失われシグナル強度が著しく低下していることが明らかになった。一方で、nkx2.1、hex、pax8、thyroglobulinなど甲状腺マーカーの発現パターンには乱れは無かった。加えてこの変異体はホモで生存可能であり、甲状腺以外に異常は見られない。従ってfolliclessは、甲状腺ホルモンの分泌はできるが、濾胞の形成に異常がある変異体だと考えられる。
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