2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11469
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井田 厚司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 発癌 / 転写制御 / 転写因子 / モチーフ / プロモーター / ターゲット遺伝子 / 発現プロファイル / 大腸癌 |
Research Abstract |
発癌過程における遺伝子制御プログラムを明らかにするために、ゲノム、トランスクリプトーム、転写因子結合モチーフ情報をイン・シリコで統合、解析する方法としてTEPMAP(Transformation of Expression Profiles to Motif Activity Profiles)法を開発した。この方法は各遺伝子のプロモーター配列と転写制御モチーフ情報からphylogenetic footprinting法とモチーフサーチを組み合わせ、各モチーフのターゲット遺伝子セットを推定、その遺伝子セット発現量からかくモチーフの転写活性量を予測する。この方法を転写因子結合モチーフライブラリー内のすべてのモチーフに適用することにより遺伝子×サンプルの遺伝子発現プロファイル行列をモチーフ×サンプルの転写制御モチーフ活性行列に変換することができる。この転写制御モチーフ活性行列に従来の遺伝子発現プロファイル行列に用いられてきた統計的手法を用いることにより、転写制御ネットワークの包括的な解析が可能となる。その解析の一例として大腸がんの発癌過程で変化する転写制御プログラムの同定を試みた。正常大腸上皮と大腸癌のサンプルのマイクロアレイ実験から得られた発現プロファイルデータにTEPMAP法を適用し、腫瘍サンプルグループで転写活性の上昇が見られるモチーフを探索した結果、E2F, ETS, CREB, MYC等の発癌に関与すると報告のある転写因子の結合モチーフの活性が統計的有意に上昇していることを見出した。以上のことからこのTEPMAP法は転写制御プログラムの解析にとって有望なツールであると考えられた。
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