2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11523
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 潤 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 光屈性 / 重力屈性 / 樹木 / 屈曲機構 / あて材 / 木部形成 / 成長応力 / 感受部位 |
Research Abstract |
伸長を停止し肥大成長中の木化茎の光屈性による能動的な屈曲が存在することを示し、さらにその屈曲機構と感受部位を検討することを目的として実験を行った。また、自然条件では、光屈性による能動的な屈曲と、自重による受動的か曲げモーメントの両方の反応が発生すると考えられ、両者を比較する必要がある。このため、直立した苗が側方から照射された時の姿勢変化への、光屈性による能動的な屈曲の寄与を検討した。まず、木化茎の光屈性による能動的な屈曲の存在とその屈曲機構について検討した。人為的に茎を傾斜させたミズナラ1年生実生苗において、重力屈性やシュートの荷重によるたわみやねじれから光屈性による姿勢変化と茎横断面の材形成を分離して解析したところ、光屈性による能動的な屈曲が存在し、あて材などの材形成の偏りが屈曲機構として寄与していることが明らかになった。次に、木化茎の光屈性における感受部位を検討したところ、木化茎自体と主軸に着生する葉が木化茎の光屈性において光刺激の感受に寄与していることが明らかになった。さらに、光屈性による能動的な屈曲と、自重による受動的な曲げモーメントを比較した。直立させたミズナラ1年生実生苗に、植物育成用蛍光灯を側方から照射する処理区と、上方から照射する処理区を設けた。側方照射区において木化茎の有意な姿勢変化は観察されず、どちらの処理区でも、自重による受動的な曲げモーメントと重力屈性による能動的な曲げモーメントがほぼ等しかった。光屈性による能動的な屈曲に寄与すねとみられる曲げモーメントは観察されず、光屈性による能動的な屈曲の誘導には光以外の条件が必要であることが示唆された。
|