2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質ダイニンのATP加水分解活性と運動活性の関係の解明
Project/Area Number |
05J11580
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 良典 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞質ダイニン / ATP加水分解活性 / AAAモジュール |
Research Abstract |
細胞質ダイニンの運動機構を解明するために、第一に、昆虫細胞を用いてマウス細胞質ダイニンの組換え体を発現させることに取り組んだ。当初は、発現量が十分でなかったため、組換え体を得ることができなかったため、発現条件の検討を行った。その結果、活性の評価をするために必要な量の組換え体を得ることに成功した。しかし、ここで得られた組換え体は運動活性を有しておらず、その活性を評価することができなかった。 そこで、次に、ヒト細胞質ダイニンの組換え体を得ることを目的として、コンストラクト構築、ならびに、その発現に取り組んだ。しかし、この場合でも、現在のところは活性を評価することができる組換え体は得られていないので、今後も引き続き取り組んでいく。 またATP加水分解活性と運動活性の関係を解明するためには、結晶構造のデータも必要であると考えているので、これらと並行して、結晶の作製にも取り組んでいる。当研究室での結果によれば、出芽酵母細胞質ダイニンの組換え体に比べ、ヒトあるいはマウス細胞質ダイニンの組換え体(およそ50kDa程度までの組換え体)は大腸菌内で非常によく発現するので、実際に一番目のAAAモジュールであるAAA1を含む組換え体を発現させてみた。その結果、以前発現させていた出芽酵母の組換え体に比べ、可溶性が非常に高いものを得ることに成功した。現在は、こうして得られた組換え体が結晶の作製に適したものであるかの検討を行っているところであり、適しているものであった場合には実際に結晶の作成に取り組んでいく。また、その場合には順次さまざまなコンストラクト(AAA1とAAA2を含むもの、あるいはAAA3とAAA4を含むものなど)も試していく。
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