2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田川 美穂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA / 自己組織化 / 原子間力顕微鏡 / ナノテクノロジー / ナノ構造体 / 非周期構造 |
Research Abstract |
DNAの分子反応(ハイブリダイゼーション)を利用して、分子やナノサイズの粒子をナノスケールの精度で特異的に配置するためのDNAナノ構造体を設計・作成した。このDNAナノ構造体は、各部に固有のアドレスを持つプログラム可能な構造体(DNAの非周期構造)であり、異なる塩基配列からなるDNAユニットを階層的に組み立てる(階層的アセンブリ)ことで、複雑な構造形成を可能にした。構造体を形成するDNAの配列は、23merの正規直交配列を連結して設計した。正規直交配列は、分子内二次構造を形成したり、ミスハイブリダイゼーションを起こしたりしないよう特別に設計された配列である。第1階層のA1-D1ユニットの形成に始まり、ハイブリダイゼーションとライゲーション反応を繰り返して構造体は階層的に組み上げられる。例えば、第3階層のA3ユニットは、第2階層のA2及びB2ユニットから形成される。第3階層以降では、新たに導入されるDNA一本鎖が高次構造を形成することを防ぐため、新たに導入されるDNAを23merの正規直交配列を用いて部分的に二本鎖化してから構造体の組み上げを行った。階層的に組み上げることで、各階層におけるDNAの分子反応がシンプルになり、少ないエラーで複雑な構造を組み立てることができる。また、ライゲーション反応で構造体の融解温度(Tm)を上げてから次の階層に持ち込むことで、前階層の構造体を壊すことなく次階層で再び温度を上げ、ハイブリダイゼーション反応を行うことができる。各階層における生成物は、ゲル電気泳動により分子量を測定し、階層が上がるにつれ構造体の分子量が大きくなることを確認した。また、第4階層後のA4ユニットに金微粒子を特異的に配置して、原子間力顕微鏡(AFM)により画像化した。
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Research Products
(2 results)