2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田川 美穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA / 自己組織化 / 原子間力顕微鏡 / DNAナノテクノロジー / DNAナノデバイス / プログラマブル / 光ライゲーション / 耐熱性DNA構造体 |
Research Abstract |
1.DNAの分子反応(ハイブリダイゼーション)を利用して、分子やナノサイズの粒子をナノスケールの精度で特異的に配置するためのDNAナノ構造体を設計・作成した。このDNAナノ構造体は、各部に固有のアドレスを持つプログラム可能な構造体(DNAの非周期構造)であり、異なる塩基配列からなるDNAユニットを階層的に組み立てる(階層的アセンブリ)ことで、複雑な構造形成を可能にした。各階層における生成物は、ゲル電気泳動により分子量を測定し、階層が上がるにつれ構造体の分子量が大きくなることを確認した。また、第4階層後の構造体に金微粒子を特異的に配置して、原子間力顕微鏡(AFM)により画像化した。 2.DNAタイル(5本のDNAから成るDNAの複合体ユニット)の自己組織化により、二次元構造体を形成した。タイル同士の結合部分を光ライゲーション反応により結合し、耐熱性のDNA構造体を作成した。従来の酵素によるライゲーションでは、構造体のニックの部分に酵素がアクセスできずライゲーション効率が非常に低いという問題があった。光ライゲーションによるDNA構造体のライゲーションはこの問題を克服した画期的な研究成果である。 3.DNAタイルの並び方を決める情報を書き込んだDNAのルーラー分子を利用して、プログラマブルなDNA構造体形成を行った。一次元方向に非周期のアドレスを書き込むことに成功し、6×n個のアドレスを持つバーコード型構造体形成に成功した。今後は、二次元方向のアドレス化も行い、二次元構造体上にナノサイズの文字や絵を描く予定である。 1-3の技術を利用し、今後は、耐熱性のプログラム可能なDNA構造体を実現する予定である。再加熱しても壊れないため、より複雑な構造体形成(例えば3次元積層化)が可能となる。また、この構造体をテンプレートとして様々な分子やナノ粒子を階層的に結合し、ナノサイズの集積回路の形成をすることも可能となるであろう。
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Research Products
(3 results)