2006 Fiscal Year Annual Research Report
糸状性シアノバクテリアにおける新奇センサ-PASドメインの同定
Project/Area Number |
05J11585
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成川 礼 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シアノバクテリア / 情報伝達 / PASドメイン / 光センサー / レドックスセンサー / 進化 / 比較ゲノム / フィトクロム |
Research Abstract |
前年度までに、私は糸状性シアノバクテリアの比較ゲノム解析により、25個の推定センサーPASドメインを見出し、その機i能を探索した。特にヘム結合・フラビン結合PASドメインについてセンサーとしての機能を同定した。それ以外にも、分子内あるいは分子間ジスルフィド結合を形成するPASドメインも見出し、レドックスセンサーとしての機能が予測された。 本年度においては、これら22個のPASドメインについてゲル濾過による分子量決定を行った。PASドメインの中には、二量化に機能するものも報告されており、今回の22個のPASドメインの中にも二量化に機能するものがあるかを探索した。その結果、6つのPASドメインは二量体として存在し、二量化ドメインとして機能している可能性が高い。 続いて、本年度は新たにPASドメインと近縁なGAFドメインに着目した。GAFドメインもPASドメイン同様、配列の保存性は低いものの、立体構造は高度に保存されている。その立体構造はPASドメインとよく似ており、近年はPAS/GAFスーパーファミリーとして認識されている。GAFドメインの中でも、特に開環テトラピロールを結合する光受容体型GAFドメインに着目した。光受容体型GAFドメインは、そもそも高等植物における赤色光吸収型と遠赤色光吸収型の問を変換する光受容体、フィトクロムにおいて見出された。シアノバクテリアには、フィトクロムのGAFドメインと似て非なるGAFドメインが豊富に存在した。そこで、これらの多様なGAFドメインの網羅的なクラスター解析を行い、それぞれのサブクラスの代表的なGAFドメインについて網羅的に生化学解析を行った。その結果、フィトクロムのGAFドメインとは全く異なる新規の緑色一赤色光吸収型光受容体、紫色一緑色光吸収型光受容体などが多数検出された。これら以外にも多様な光受容体型GAFドメインがシアノバクテリアには存在するので、今後もさらなる新規光受容体の同定が期待できる。
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Research Products
(1 results)