2005 Fiscal Year Annual Research Report
生物の匂い認識機構において嗅覚受容体の果たす役割の検討とその解明
Project/Area Number |
05J11624
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 勇輝 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 嗅覚受容体 / 嗅球 / イメージング |
Research Abstract |
本研究では、嗅上皮で形成された嗅覚受容体の活性化パターン(受容体コード)がどのように嗅球に投射され、さらには生物の認識する"匂い"感覚を構築するのかを解明することを目的としている。 本年度は、in vivo(嗅球)における内因性シグナルイメージング法、及びカルシウムイメージング法を確立し、嗅球での匂い応答を可視化した。また、培養細胞での詳細な匂い応答特性が解析され、オイゲノールという匂い分子を受容することが示されている嗅覚受容体mOR-EGに関して、この受容体とGFPが共発現するランスジェニックマウスを作製した。このマウスを用いて、世界に先駆けて生理条件下において嗅球での嗅覚受容体の匂い応答測定に成功した。また、嗅球における嗅覚受容体神経の匂い応答は、培養細胞や嗅上皮から単離された嗅細胞の応答特性とは異なることを明らかにした。これらの成果は、現在論文として投稿中である。 一方、嗅球の匂い応答を指標に、応答糸球体に発現する嗅覚受容体を同定するという新規の手法を開発中である。上記のイメージング法と、嗅球からの受容体同定の手法を組み合わせることで、生体内の神経応答と、それらを担う嗅覚受容体群を直接的に結びつけることができる。現在までにオイゲノールおよびメチルイソオイゲノールの匂い分子に応答を示すいくつかの糸球体から受容体を同定することに成功している。今後、これらの匂い分子を受容する全ての受容体を同定することにより、匂いの質がどのようなメカニズムで決定されているかを明らかにできると考えられる。
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Research Products
(3 results)