2006 Fiscal Year Annual Research Report
11〜13世紀における中東地域の民族集団の動向と権威の変容
Project/Area Number |
05J11651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 修 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 歴史認識 / イラン / 中東 / セルジューク朝 / モンゴル / 王権・支配理念 |
Research Abstract |
本年度も引き続き、研究成果報告と史資料収集を進めた。:更に本年度より新たに史料講読会を主催するなど、収集した史資料の分析も順次進めている。 1.研究成果報告。(1)史学会104回大会報告「セルジューク家の権威の形成:11〜14世紀を中心に」(2006年11月19日於東京大学)では、セルジューク朝に対する評価の変容と、後世の王朝がセルジューク家の権威を如何に利用していたのかについて論じた。さらに、(2)九州史学会2006年度大会報告「ペルシア語普遍史叙述における人類史認識の変容:成立から14世紀まで」(2006年12月10日於九州大学)では、歴史書における人類史叙述の変遷を分析し、モンゴルの西アジア侵入により如何なる歴史認識の変化が生じたのかについて論じた。なお、昨年度以来の研究成果の一部を、(3)「キニク氏族とアフラースィヤーブ:ペルシア語普遍史叙述の展開とセルジューク朝の起源」『オリエント』50-1(2007,掲載決定)として発表予定である。 2.史資料収集。本年度は、(1)テヘラン大学附属図書館(テヘラン)、(2)スレイマニエ図書館・トプカプサライ宮殿附属図書館・IS醐(イスタンブル)、(3)東洋学研究所(タシュケント)を中心に、写本・図書・銘文の調査を行った。特に写本に関しては、未刊行のものを中心に、実物約150'点、マイクロフィルム約10点を閲覧・調査し、写本の必要箇所をマイクロフィルム化・電子データ化した。 3.史料講読。収集した史資料に関しては、順次データベース化し、校訂・訳注も作成中である。特に本年度より「イブン・ビービー講読会」(於東京大学)を開催し、セルジューク朝期の政治史・社会史を理解するのに重要な史料の一つで、未だ校訂がなされていない、イブン・ビービーの王朝史を週一回のペースで読み進めている(次年度も継続)。
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Research Products
(1 results)