2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンからみた運動の生理学的効果-機的的刺激効果・代謝促進効果-
Project/Area Number |
05J11679
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小黒 麻美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | ストレスタンパク質 / 重力 / 運動 / HSP / 神経疾患 / リハビリテーション |
Research Abstract |
先行研究より、運動が細胞システムの力学的側面と代謝的側面を連携させ、細胞システムをうまく機能させることに貢献していることが示唆されている。また、これまで運動の実施により各種代謝が適応変化することが明らかにされているが、その背景となる分子シャペロンの変化を網羅的にみたものはほとんどない。本研究では、このような細胞の力学応答及び代謝の増大を伴う運動の生物学的な効果を、培養細胞を用いて生化学的な手法で解析している。 計画にあった「適応変化と分子シャペロン」については、かなりの進度で研究が進み、関連学会にて結果を報告するまでに至った。昨年はそれらの結果をまとめ、先行研究と照らし合わせて深く掘り下げた上で、論文作成を行い、Genes to cellsという雑誌に論文が掲載されるまでに至った。また平成18年度も日本生物物理学会若手の会夏の学校で優秀発表賞を得、アメリカ細胞生物学会でも発表を行った。 さらに平成18年度の研究として行う予定であった、「運動により増減する分子シャペロンを網羅的にみることで、運動の細胞活性化機構を明らかにするとともに、加齢に伴い増加する病態の予防や治療につなげていく」という研究に関しても、平成17年度末から研究を開始し、現在までに順調に系を確立し、候補の遺伝子を同定するところまで研究を進めている。実験方法としては、運動や加齢、神経変性疾患に関係しているプロテアソーム分解についての系を用いて、RNAiを用いて網羅的にスクリーニングをし、関連遺伝子の機能解明を急いでいる。本年度も引き続き、さらなる研究の発展に努力を努める次第である。
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Research Products
(1 results)