2005 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症児における模倣と社会性の障害:その認知的基盤及び発達的変化に関する検討
Project/Area Number |
05J11683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國平 搖 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自閉症 / 模倣 / 空間認知 |
Research Abstract |
今年度は修士課程で進めてきた研究を発展させ、自閉症児の模倣の障害メカニズム、また自閉症児の空間認知・自他の身体認知に関して研究を行った。 修士研究に関しては、5月にボストンで行われた国際会議(International Meeting for Autism Research)にポスター発表で参加し、得られた知見などをもとに論文を投稿中である。 模倣の障害に関する検討は、東京都立梅ヶ丘病院の市川宏伸院長、新井慎一医師の研究協力のもと、同病院に入院または外来で通う自閉症児(アスペルガー症候群も含む)、自閉症以外の発達障害児(ADHD児)を対象に模倣テストとIQテストを実施した。また同テストは九州大学神尾研究室の協力のもと、福岡県宗像市在住の自閉症児(幼児)に対しても予備的に実施し、幼児への模倣テスト実施の妥当性や難易度の検討、また結果についての健常幼児との比較を現在進めている。結果については、昨年度より集めていた小中学生のデータとあわせ、10月に行われた日本心理学会大会にてポスター発表を行った。また論文を投稿中である。 自閉症児の空間認知・自他の身体認知に関する検討は、東京都武蔵野市の武蔵野東学園の協力のもと、小学生から中学生の自閉症児及び健常児を対象としたコンピュータ課題(Mental Rotation課題)を実施した。合わせて模倣課題も実施しており、空間認知、身体認知と自閉症児の模倣の障害や視点の置換との関連について検討を行った。現在すべてのデータ解析が終了し、3月に行われた発達心理学会大会にてポスター発表を行った。論文は執筆中である。
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