2006 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナリティと精神病理の認知的・生物学的メカニズムの検討
Project/Area Number |
05J11688
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 雄介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 気質 / パーソナリティ / 抑うつ / 不安 / 行動遺伝学 / 双生児 |
Research Abstract |
パーソナリティの一部である気質は,さまざまな精神疾患の素因としてその生起に寄与し,その個人差を予測するので,生物学的に妥当な気質モデルを検証することは,精神疾患のメカニズムの解明・予防に繋がる点で意義がある。 今年度は,昨年度に引き続き,パーソナリティや気質の生物学的な基盤を考えるうえで有力視されているGray(1982,1987)の強化感受性理論に基づく気質モデルに焦点を当てた研究を行って,投稿論文を執筆し,採択に至った(1件)。この論文によって,Grayの気質モデルの2次元を測定する国際比較可能な尺度が提供された。また,このデータによってそれらの気質次元は30%前後の遺伝率を有し,個人差のレベルでは独立であることが示された。昨年度に獲得した双生児法による行動遺伝学的解析の手法を活かした論文執筆(1件)および学会発表(6件[このうちの1件で学会優秀発表賞受賞】)も行った。さらに,気質を客観的な実験課題を用いて測定する試み(Avila,2001;De Houwer,2003)を年度を通じて行い,大学生の実験参加者100名,双生児の実験参加者150組300名のデータを得て,その一部を用いて学会発表を行った(1件)。 自らの専門分野と周辺分野との接点を探ることを目的とした縦断データ・時系列データ解析の高度な技術獲得,将来的な生理学的な指標導入を見据えた脳波測定および解析技術の修練を行い,基礎的な心理学研究を実際の介入に活かすため,認知療法の研修を受けた。
|
-
-
[Journal Article] The Tokyo Twin Cohort Project : Overview and its initial findings on body sizes, nutrition, sleeping and social behavior in infancy.2006
Author(s)
Ando, J, Nonaka, K, Ozaki, K, Sato, N, Kutsukake-Fujisawa, K, Yamagata, S, Takahashi, V, Suzuki, K, Nakjima, R, Kato, N, Ooki, S.
-
Journal Title
Twin Research and Human Genetics 9(4)
Pages: 817-826