2005 Fiscal Year Annual Research Report
転換期における都道府県私学助成制度の機能評価と改革方策に関する研究
Project/Area Number |
05J11700
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小入羽 秀敬 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員
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Keywords | 私学助成 / 私立高校 / 都道府県 |
Research Abstract |
本年度においては、私立高校の私学助成に関する資料整理および地方分権、地方財政に関する文献の検討を行った。 私立高校の私学助成に関しては、都道府県の私学補助金に大きな影響を与える、国からの国庫補助金の項目を時系列的に調査した。その結果、国庫補助金は1975年に経常費補助が私立高校に交付されて以来、順調に項目を増やしていることが示された。また、都道府県における補助金の資料を整理し、各都道府県別の経営費補助の推移を時系列的に検討した。資料に関しては、本年度は主に東京都など首都圏を中心として収集を行った。東京都を選択した理由は、私立高校の数が全国で最も多く、私学関係の政策が整備されていると考えたためである。 文献の検討は、私立高校の私学助成は都道府県が中心となって行われているために、私学助成の研究を行う上で地方財政や地方分権の枠組みが必要となると考えたために行った。経済学、政治学等の文献を中心にレビューを行った。その結果、主に福祉や医療関係の政策過程や補助金の規程要因分析などの先行研究が本研究を行う上で参考になると考えられる。福祉や医療関係の分野が近い理由として、教育が福祉や医療と同様のサービスの形態を取っていることが挙げられる。サービスを人に対して提供するという対人サービスの政策という意味で二つの領域をピックアップした。また、私学助成制度は各都道府県によってその制度が異なるため、特に制度的要因を考慮する必要があることを計量分析によって示した。
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