2006 Fiscal Year Annual Research Report
転換期における都道府県私学助成制度の機能評価と改革方策に関する研究
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05J11700
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小入羽 秀敬 東京大学, 大学院教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 私学助成 / 私学政策 / 地方行政 / 私立高校 |
Research Abstract |
本年度は、前年度において課題として挙げられていた制度面の精緻化を行うために、私立高校の私学助成を担当している都道府県についてのより詳細な考察を行い、さらに都道府県の私学政策に行動を与えうるアクターとして挙げていた中央政府である文部科学省と都道府県の関係について考察を行った。 前者の都道府県についてのより詳細な考察として、私学行政の担当部局について検討を行った。高校以下の私立学校は都道府県知事が所轄庁となって私学助成を行っている。その担当部局は基本的に知事部局が中心となっているが、例外的に「補助執行」という形で教育委員会が私学事務を担当しているケースがある。担当部局の違いはなぜ起こったのか、部局の違いによる事務内容の違いがあるのかについて考察し、その結果として(1)知事がイニシアティブを取って行った機構改革の文脈で補助執行が行われたが、補助執行を行うに当たって私学関係団体等から反対があったという点、(2)補助執行が行われても担当部局が行う事務内容とその部局に関する人事について、知事部局が私学行政を担当しているときと変わらない点が明らかになった。 また、後者の中央政府と都道府県の関係について、国庫補助金の与える影響力についての考察を行った。文部科学省は基本的には高校以下の私立学校行政には関与をしないが、唯一、財政的な関与として経常費補助という形態で国庫補助金を交付している。国庫補助金と都道府県による私学助成はどのような関係にあるのかについて、項目と金額の比較から検討を行った。
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