2007 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバネットワークを搭載した先進複合材構造動的健全性評価システムの構築
Project/Area Number |
05J11722
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 雅章 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 繊維強化複合材料 / 構造健全性 / FRP(Fiber-Reinforced Plastic) / マルチスケールモデリング / 数値破壊シミュレーション |
Research Abstract |
繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic, FRP)は比強度・比剛性に優れておリ,軽量化のニーズが高い航空宇宙産業では,その適用範囲が大幅に拡大している.近年FRPの特性を活かすべく,構造物に発生した損傷を非破壊検査により監視することで,その健全性を常に判断し,信頼性を確保する損傷許容設計が重要視されている.こういった構造ヘルスモニタリング技術の実用を考えた場合,定量的に検出した内部損傷がどれだけ実機の運用に支障があるかを常に判断できれば,整備・点検や修理・再設計の指針が得られ,必要最低限の適切な補修の実施が可能となる.このような背景で,検出された損傷の大きさに対して構造健全性が十分であるかを判断する為には,内部損傷を持つ複合材料構造全体の強度を評価する手法の開発が必須である. そこで,構成材料単位の破壊プロセスを考慮したマルチスケールモデリングにより,内部損傷プロセスをイメージでき,なおかつ複合材料の強度を評価できる数値シミュレーションの開発に取り組んだ.前年度までの研究成果を踏まえ,繊維破断や界面の剥がれ,樹脂の破壊といった構成材料単位の破壊プロセスを特徴づけるメカニクスを組み込んだ破壊シミュレーション手法を提案した.ここでは,新たな周期セルシミュレーションの定式化を示し,材料内部の損傷状態をシミュレートしながら,巨視的強度を評価することが可能となったと言える.
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