2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星搭載用耐放射線・高速高信頼性計算機システムの設計開発
Project/Area Number |
05J11732
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳川 善光 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Single Event Transient / 放射線試験 / スキャンパス |
Research Abstract |
本研究は,論理LSIに放射線が入射することによって発生する過渡的な電流パルス(Single Event Transient : SET)の発生箇所をブロック単位で特定するための放射線試験手法の確立を目指す. SETは論理LSI中の組み合わせ回路で発生し,フリップフロップなどのメモリ回路にラッチされることでデバイスの誤作動を引き起こす.論理回路中のどの場所でSETが発生しやすいかを特定できれば,当該箇所に選択的にパルス対策を施すことで,より放射線耐性の高いデバイスを効率的に実現することができる. 今年度は,LSIの故障解析に用いられるスキャン手法を応用した,論理LSIのSET発生箇所特定手法の新規提案を行った.本手法はLSIのクロック信号を適宜制御しながら,放射線照射とスキャンパスフリップフロップの読み出しを繰り返す放射線試験を行うことで,複雑な論理LSIの内部に踏み込んでSET発生箇所を絞り込むことを可能としたものである.AMD社のAM2901プロセッサを対象とした論理シミュレーションによる予備評価では,回路に与えるテストベクタを適宜変化させることで,パルス発生源を選択的に設定した上でのSETの取得が可能となり,フリップフロップの読み出し値から逆にSETパルス発生源を含む回路ブロックを特定できることが確認された.なお,本シミュレーションには,宇宙航空研究開発機構が開発中の0.2μm-SOIスタンダードセルライブラリを導入した環境を構築して利用した.現在,本研究に関して論文を1件投稿中である. なお本年度は平行して,16年度から行ってきた冗長型計算機のための高速光多数決回路に関する研究について,1件の論文投稿を行った(発表予定).
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Research Products
(1 results)