2006 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性ナノ微粒子を含む半導体グラニュラー構造の作製、物性解明、およびデバイス応用
Project/Area Number |
05J11733
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 正史 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 強磁性金属ー半導体複合構造 / エピタキシャル成長 / 強磁性半導体 / 光アイソレーター / グラニュラー構造 / プレーナーホール効果 / 磁気異方性 / 磁気抵抗変化 |
Research Abstract |
・MnAs薄膜のInP(001)基板上、およびInGaAsP層上へのエピタキシャル成長の成功 MnAs薄膜のInP(001)基板上、およびInGaAsP層上へのエピタキシャル成長に成功した。InP基板上にエピタキシャル成長したMnAs薄膜は、InP(001)基板に対して、MnAs[0001]//InP[1^^-10]、MnAs[1^^-100]//InP[001]のエピタキシャル関係を持つことを明らかにした。また、その磁気特性は、MnAs[112^^-0]軸方向(//InP[110])に磁化容易軸を持ち、その強磁性転位温度が321Kであることを明らかにした。InGaAsP層上に成長したMnAs薄膜も同様の性質を持つことを明らかにした。 ・InAlAs : MnAs薄膜の作製と光アイソレーターへの応用 InPに整合する強磁性金属-半導体複合構造である、InAlAs : MnAsグラニュラー薄膜の作製に成功した。InAlAs : MnAsグラニュラー薄膜は室温で大きな磁気光学効果を示すことを明らかにした非相反損失を利用した導波路型光アイソレーターを作製し、1.3dB/mmのアイソレーション比を得ることに成功した。 ・プレーナーホール効果測定を用いたInGaMnAs薄膜のにおける面内磁気異方性の評価 InPに整合する強磁性半導体InGaMnAs薄膜を作製し、Inの組成を変化させ、磁化容易軸方向を薄膜表面に対して面内あるいは面直方向にその磁気異方性を制御することに成功した。また、面内に磁化容易軸を持つInGaMnAs薄膜の面内における磁気異方性を、プレーナーホール抵抗測定により明らかにした。低温で、InGaMnAs薄膜は、一軸磁気異方性を持ち、[1^^-10]方向に磁化容易軸を持つことがわかった。 ・GaAs : MnAsグラニュラー薄膜における大きな磁気抵抗変化 GaAs : MnAsグラニュラー薄膜を用いて、室温で600%を超える磁気抵抗の変化を観測した。GaAs:MnAsグラニュラー薄膜に0Vから電圧を印加して、電場の大きさが10^5V/m以上になると、GaAs : MnAsグラニュラー薄膜に流れる電流が急激に増大し、その後、印加電圧を減少すると、電流は徐々に減衰し、電流電圧特性はヒステリシスを示した。このヒステリシス以上の電圧領域で、626%の大きな磁気抵抗を観測した。
|
Research Products
(10 results)