2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体デバイス内における流動現象解明と設計への応用
Project/Area Number |
05J11743
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠原 恭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 流動計測 / 粒子画像流速測定法(PIV) / 多次元計測 |
Research Abstract |
小生が既往の研究で行った溶媒抽出マイクロ流体デバイス内の高時間分解計測において、油水界面において3次元的な流動が観測されていた。界面付近の流動様式は抽出する金属錯体の物質輸送・分子拡散と密接な関係があるため、デバイス設計上のこれらの流動構造を解明することは必須となる。今年度は、従来報告例が無かった微小空間の3次元流速分布計測システムの開発と精度検証を行い、微小空間の多次元計測のための基盤技術開発に重点をおいて研究を遂行した。 具体的には、蛍光顕微鏡用対物レンズの上部にピエゾアクチュエーターを搭載し、流れに対して垂直方向に焦点位置をスキャンすることで垂直位置成分(z)を取得した。一方工学的なシステムとして光源にNd:YAG CWレーザーを用いた。試料中の蛍光粒子が励起されその励起光のみを60倍NA0.9の水浸対物レンズと550nm以下の光をほぼカットする光学フィルターを通じて高速度カメラで6000frame/sで撮影した。流れを可視化するためトレーサーとして蛍光粒子を用いた。システムの精度を検証するため理論的に速度場が分かっているマイクロチューブをテストセクションとして用いた。作動流体には、水を用いた。ピエゾアクチュエーターは外部信号に追従して変位するため、function generatorからの信号によりコントロールした。 上記の開発したシステムを内径95μmのマイクロチューブ内3次元速度分布計測に応用した。空間分解能は5.4x2.7x0.27μmである。結果、計測値は円管層流の理論解であるHagen-Poisseuilleの式と良好な一致を示したことを確認した。今回のテストセクションであるマイクロチューブ流れは垂直速度成分をほとんど持たないため面外速度成分の計測精度評価には最適ではないが、次年度以降対象を3次元性の強い微小流動に変え、さらに精度を検証していく予定である。
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Research Products
(1 results)