2005 Fiscal Year Annual Research Report
地球・惑星内部でのマントルや外核の対流現象の数値計算による基礎的な研究。
Project/Area Number |
05J11763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 浩樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 熱対流 / 数値計算 / マントル |
Research Abstract |
内部発熱による熱対流の数値計算の結果をアメリカ物理協会(AIP)が発行しているPhysics of Fluids、に投稿した(Ichikawa et al.,2006)。この論文はレイリー数が大きくなるにつれて生じる対流パターンの遷移を紹介したものである。結果は大きく分けて2つある。一つ目に、レイリー数が低いときは、下降流が点状に生じているが、レイリー数が大きくなるにつれ、点状の下降流のまわりに放射状に線状(シート状)の下降流が生じ(スポークパターン)、さらにレイリー数を上げると、シート状の下降流が生じることを示した。次に、レイリー数が上がるにつれ、対流セルのスケールが大きくなること(小さいスケールの流れはより小さくなるが、)を示した。すなわち、レイリー数が高い対流状態では、小さいスケールのプルームなどの流れはそれぞれ独立に存在しているのではなく、全体として構造を持っており、自発的に協力して大きなスケールの流れを形成するということである。 また、今年度には粒子法による熱対流のプログラムを作成した。スペクトル法や既存の数値計算法、例えば、差分法や有限要素法などでは化学物質の移送などを正確に解くことが難しい。そこで、この粒子法によるプログラムを開発することにした。粒子法を用いると、化学物質の移送や固体が混じった流体の計算などを自然にかつ簡単に行うことができる。計算アルゴリズムにMoving Particle Semi-implicit法(koshizuka and Oka,1996)を採用した。現在、水や空気、液体金属などの普通の流体の対流を計算する粒子法のプログラムは完成した。引き続き、マントル対流を計算するアルゴリズムを現在、開発しているところである。
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Research Products
(1 results)