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2005 Fiscal Year Annual Research Report

海洋境界域における乱流混合の定量的な評価とその深層海洋大循環への影響

Research Project

Project/Area Number 05J11768
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

岩前 伸幸  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords鉛直乱流混合 / 内部潮汐波 / 潮汐残差流 / エネルギーカスケード / 海洋内部重力波 / 深層海洋大循環 / 潮汐-地形海底相互作用
Research Abstract

過去の研究で簡略化した海山を含む鉛直2次元プリミティブ方程式モデルを用い,Garrett-Munk内部重力波場と内部潮汐波の非線形相互作用を調べた結果,海山の近傍では緯度によらず強い近慣性流鉛直シア構造が形成された.
計算結果を解析し,海山で励起された内部潮汐波のエネルギーのうち,どの程度が海山の近傍で消失するかを調べた結果,約60〜70%が海山近傍で消失するという結果が得られた.これは,大きなエネルギーが海山近傍で混合に使われている可能性があることを示唆している.
また,海山近傍での近慣性流鉛直シア構造の形成機構を調べるため,Garrett-Munk内部重力波場を取り除いた場合について実験を行なったところ,Garrett-Munk内部重力波場が存在しない場合でも,近慣性流鉛直シア構造が形成されるという結果が得られた.この結果から,内部潮汐波から高鉛直波数の近慣性内部波へのエネルギーカスケードにおいて,重要であると考えられてきた内部波の三波共鳴以外にも,カスケードをコントロールする物理機構が存在することが明らかになった.
そこで,海山と潮汐の非線形相互作用によって生じる潮汐残差流に着目して解析を行なったところ,海山の直上に強いラージスケールのシアを持った潮汐残差流が形成されており,高鉛直波数の近慣性流シアはその残差流の強いところで形成されることが明らかになった.残差流のある場所でシア構造が形成される原因として,スケールの小さい内部重力波が残差流シアによりドップラーシフトされるという機構を提案した.
本研究で示した物理機構は海山や陸棚斜面などに潮汐が入射した場合,緯度によらず起こりうるものであり,海洋境界域での普遍的な混合メカニズムのひとつであるといえる.
これらの成果を国際会議「2006年度 Ocean Sciences Meeting」で発表した.

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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