2006 Fiscal Year Annual Research Report
広視野高精度のイメージング型宇宙線望遠鏡を用いた、超高エネルギー天体の研究
Project/Area Number |
05J11774
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥村 曉 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Ashra / 宇宙線 / GRB / TeVガンマ線 |
Research Abstract |
Ashra実験の開発と観測に携わった。2006年度に複数の検出器を米国ハワイ島マウナロア山に設置し、視野42°で分角の解像度を有する光学系の調整や、複数のイメージインテンシファイアとレンズ系を組み合わせた撮像系の調整を行った。これらの検出器を用いて、大気チェレンコフ光を用いた宇宙線の撮像試験と、長時間露光による星像の試験撮影を行った。 宇宙線の観測では、検出器の基本的性能を確かめた。特に固定視野の望遠鏡でのトリガーの実証作業、光ファイバーを用いたトリガーへの光の導入、フォトンカウンティングによる大気チェレンコフ光の画像化と言った、主要な機能の動作を確認した。Ashraの光学系と撮像系による宇宙線観測が実際に行えることを、現場での実観測によって確認した。また光学観測では、光学系の製作が設計通りに行われたことを確認し、視野42°にわたり解像度が数分核で維持されていることを確認した。どちらの観測に置いても、ソフトウェアの開発、装置の設置作業、装置の制御、現場での観測を担当した。 これらの観測作業と並行して、月のない晩に雲の状態を調べるための雲モニタの設置を行った。また検出器内部の温湿度の状態を調べるための測定装置の開発を行った。これらのモニタ装置をマウナロアに設置して実際に運用し、観測中に観測条件を記録するために使用した。 以上のように、2006年度はAshra実験の本観測に向けての準備作業を行ってきた。装置の問題点の洗い出しと改良、観測に必要な装置類の設置と準備、試験観測を行い、2007年度の本観測の準備を整えた。
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