2006 Fiscal Year Annual Research Report
実験的手法による地震に伴う電磁気シグナル発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
05J11788
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑野 修 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 界面動電現象 / ゼータ電位 / 自然電位 / 岩石実験 |
Research Abstract |
ゼータ電位の見かけの粒径依存性を解明するために、ガラスビーズで系統的な実験を行い間隙水圧勾配と流速、流動電位の関係を調べた。その結果、透水係数だけでなく流動電流係数も、レイノルズ数(ガラスビーズの粒径を代表寸法とする)が1〜10以上で減少することが分かった。流れの状態の変化が流動電流係数を減少させ、この流動電流係数から求められたゼータ電位が見かけ上小さくなっていることが分かった。実験結果から、過去の他研究例におけるゼータ電位の不一致は流れの状態変化の影響を受けていることが原因であることを指摘し、流動電流係数から正しいゼータ電位を求めるための実験条件を提示した。結果はGEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS誌に掲載された(Kuwano et al. 2006)。 流動電流係数のレイノルズ数依存性に関して、Revil他が理論的モデル(Crespy et al. 2007; Revil,2007)を提案した。われわれはRevilらの理論的モデルには重大な誤りがあることを指摘し、GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS誌に掲載された(Kuwano et al. 2007)。 三宅島で2000年に観測された地殻変動に伴う電場変動のモデル化を行った。モデルは地殻変動により生じた間隙水圧変動による流体移動で、流動電流源が生じるというものである。単純なモデルであるが観測から求められた力源から期待される電場変動は、観測された電場変動をうまく説明できることが分かった。 今後は高温での流動電流係数を実験で求め、より現実的な条件でモデル計算を行う予定である。
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Research Products
(2 results)