2005 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線衛星観測に基づく星間ダストの物理状態及び生成・進化過程の解明
Project/Area Number |
05J11796
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
左近 樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 星間ダスト / 多感式芳香族炭化水素 / 赤外線 / ASTRO-F / 「あかり」 / 大マゼラン雲 / すばる望遠鏡COMICS |
Research Abstract |
IRAS及びCOBEのデータを用いて大マゼラン雲中のダストの性質を調べ我々の銀河中のダストの性質との相違点について明らかにすると共に、撮像バンドによる赤外放射のエネルギー分布モデルに対して系統的な理解を与えることに成功した。この研究は、2005年9月San Franciscoで開催された国際研究会IAU Symposium 231で発表し、現在Astrophysical Journalに投稿中(Sakon et al.2006,submitted to ApJ)。 また、2005年7月にすばる望遠鏡中間赤外観測装置COMICSで取得した前主系列星MWC1080周囲の分光観測に基づくダストの研究において、多環式芳香族炭化水素の分子輝線バンドの11.0umが、分子の電離環境、すなわち輻射場強度と電子密度の定量的な指標となることを観測的に初めて明らかにした。この内容については、2005年12月台湾で開催された国際研究会ASIAA/TIARA Star Formation Workshop 2005において発表し、まもなくAstrophysical Journalに投稿予定(Sakon et al.2006,in prep.) このほかに、2005年7月に米国NASAの行ったDeep Impactミッションに関して、すばる望遠鏡を用いた地上観測のプロジェクトに参加し、現地での観測及び、分光データの解析を担当した(Sugita, S.,et al.2006,Science,310,274;Meech, K.J.,et al.2006,Science,310,265)。 また、2006年2月に打ち上げられた赤外線天文衛星「あかり」について、分光解析に関するシミュレーションや、フィルターの低温波長応答特性の測定などを主体的に担当し、今後の性能評価、解析も担当する。
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Research Products
(6 results)