2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストと極超新星の発生機構及び初期宇宙の天体形成・化学進化の研究
Project/Area Number |
05J11811
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨永 望 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超新星爆発 / ガンマ線バースト / 元素合成 / 第一世代星 / 国際情報交換 / 中国:ドイツ:イタリア:アメリカ:インド |
Research Abstract |
本研究課題では、ガンマ線バースト・(極)超新星の発生機構の本質、またそれらを用いて第一世代星や宇宙の化学進化を理解することを目的として研究活動を行っている。本年度は特に以下のような研究を行った。 1.特異な超新星 (1)超新星2005bf 超新星2005bfは非常に特異な光度曲線、スペクトル進化を示した。光度曲線、スペクトルのモデルから、超新星2005bfは超新星爆発後に残される残骸が中性子星である場合とブラックホールである場合の境界付近に位置し、中性子星を作る爆発であることを明らかにした。 (2)極超新星2003jd 超新星2003jdは爆発時にガンマ線バーストは観測されなかったが、爆発後1年後にスペクトル観測を行い、ガンマ線バーストと同起源である極超新星1998bwをジェットとほぼ垂直な方向から見ていると考えスペクトルを再現した。このことから超新星2003jdはガンマ線バーストを横から見た超新星爆発であったことを明らかにした。 (3)極超新星2003dh 極超新星2003dhはガンマ線バーストと同起源の極超新星である。本超新星のモデリングを行い、質量、爆発エネルギーを見積もり、極超新星2003dhの特性を明らかにした。 2.金属量の極端に少ない金属欠乏星の元素組成 HE1327-2326という太陽の10万分の1の鉄しか持たない星が銀河ハローに観測された。この星は鉄に比べて炭素の量が極端に多いという特異な元素組成を示したが、その元素組成は第一世代星が非常に弱い超新星爆発を起こし、その時に放出された物質から形成された星を観測していると考えると説明できることを明らかにした。 3.ガンマ線バーストの理論的なモデル ガンマ線バーストの中にはバースト自体の数百秒前にその前兆が観測されているものがある。現在まで提出されていなかった前兆も含めて理解できるようなガンマ線バーストのモデルを提出した。
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Research Products
(6 results)