2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波伝導度スペクトル測定法の開発とそれを用いた高温超伝導体のゆらぎの研究
Project/Area Number |
05J11844
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 健良 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロ波電気伝導度 / 銅酸化物高温超電導体 / 超伝導ゆらぎ / 動的スケーリング |
Research Abstract |
1、装置作製 現有の超伝導マグネットを用いて、磁場下でのマイクロ波伝導度スペクトル測定を試みたが、超伝導ゆらぎの研究のためにはより小さい磁場中での測定が必要であることが明らかになり、専用の超伝導マグネットを自作した。金薄膜・ニクロム薄膜を用いて測定性能の検証を行った結果、温度10K〜300K、周波数0.1GHz〜10GHzの範囲で、磁場中を含めて交流伝導度の周波数依存性が得られることを確認した。 2、NbN薄膜の超伝導ゆらぎ 同測定装置を用いて、従来超伝導体であるNbN薄膜に対してマイクロ波伝導度スペクトル測定を行い、超伝導ゆらぎ伝導度の動的スケーリング解析を行った結果、理論と非常によく一致する結果を得られた。また、厚さの異なる試料を測定することで、膜厚によってゆらぎの次元性が変化していく様子を捉えた。(雑誌Physical Review Bに投稿中) 3、銅酸化物高温超伝導体La_<2-x>Sr_xCuO_4薄膜の超伝導ゆらぎ 同測定装置を用いて、キャリア濃度の異なるLa_<2-x>Sr_xCuO_4薄膜に対してマイクロ波伝導度スペクトル測定を行い、超伝導ゆらぎ伝導度の動的スケーリング解析を行った結果、不足ドープLa_<2-x>Sr_xCuO_4薄膜において、2次元超伝導のKosterlitz-Thouless転移を観測した。またx=0.15付近で、超伝導ゆらぎが突然3次元XYモデル的なものへと変化することを明らかにした。(雑誌Physical Review Bにて論文発表)
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Research Products
(1 results)