2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ/重力対応におけるデュアリティの研究と、そのクォークの閉じ込めへの応用
Project/Area Number |
05J11845
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 晶弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超弦理論 / AdS / CFT対応 / デュアリティ |
Research Abstract |
現在、AdS/CFT対応におけるT-dualityの対応関係を調査しているところである。 T-dualityは、超重力理論の段階においては計量に対してブッシャールールを適応することによって実現されるが、それをCFT側で実現しようとすると、超重力理論側の座標が、CFT側においてどのような量に対応するかを知ることが重要になる。これについては、近年のスピニングストリング/スピン鎖対応の発展によって部分的には理解されつつある。しかしながら、実はこの対応関係はAdS/CFT対応の最も重要な関係式であるGKP-Witten関係式と相容れなかったが、我々の研究室の成果であるトンネリングピクチャーを用いることによって、現在これらの間の矛盾を解消しつつある。 具体的にはAdS方向については点状であり、五次元球面上ではスピニングストリング、とくにフォールディッドストリングとなるような量子数を持ったストリングを考え、それの二点関数をトンネリングピクチャーを用いて計算することにある程度成功した。その結果、2-ループに至るまではCFT側における対応する物理量と一致していることがわかった。 目下抱えてる問題としては、トンネリングピクチャーを用いたときに必ず現れる無限大の評価ならびに、境界にあるオペレータとスピン鎖の関係を解き明かすことであるが、それについては現在研究中であり、これらの問題を解決することによって初めて座標のCFT側へのマッピングが完全に理解され、それによってCFTにおけるdualityが明らかになると思われる。
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