2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ/重力対応におけるデュアリティの対応と、そのクォークの閉じ込めへの応用
Project/Area Number |
05J11845
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 晶弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 素粒子 / 超弦理論 / AdS / CFT対応 |
Research Abstract |
AdS/CFT対応のメカニズムを解明する試みとして、現在BMN対応や回転弦/スピン鎖対応などがあるが、回転弦とスピン鎖の対応についてはそのホログラフィックな解釈が得られていなかった。 他の背景時空上の弦理論と、その境界にあるゲージ理論の対応関係を調べることはAdS/CFT対応の拡張性を議論する上で重要な問題であるから、それはホログラフィックな解析を用いて議論することであるので、今まで知られているAdS/CFT対応において、そのホログラフィックな理解を得ることは、自分の研究テーマである、AdS/CFT対応の拡張を議論するうえで、非常に重要なステップとなった。結果として、トンネル効果を通して弦理論の古典作用を具体的に計算することで、ホログラフィックな二点関数が得られ、それが境界上の二点関数と一致することが確かめられた。 さらに、クォークの閉じ込めに向けた研究として、超対称性や共形対称性がこわれているような、AdSブラックホール上の弦理論とその境界上のゲージ理論に対して、そのホログラフィックな二点関数を計算した。これは、ゲージ/重力対応が成り立つ要因として、AdS/CFT対応の特殊性である超対称性や共形対称性がどれほど重要であるかを考察する上で大きな示唆を与えると考えられる。通常のAdS時空の場合と同じように、古典作用を計算し、その長距離の振る舞いをみることによって境界上の複合演算子がもつ有効質量に対する知見を得た。
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Research Products
(1 results)