2007 Fiscal Year Annual Research Report
特異点を持つ学習モデルの性能の解明および工学的応用による生体情報処理原理の解明
Project/Area Number |
05J11866
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨岡 亮太 The University of Tokyo, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 機械学習 / 統計 / 脳波 / ブレインコンピュータインタフェース |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続きBrain-Computer Interface(BCI)における脳波(EEG)判別問題の文脈で従来用いられてきたデータ依存前処理技術の性質を,最適性,複雑さの制御および解き易さの観点から解析した.とくにCommon Spatial Pattern(CSP)と呼ばれる手法が,ある判別モデルの尤度の下限を与えることを示し,CSPの最適解が好ましくない振る舞いをする場合に,真の尤度と下限の間の隔たりが大きくなっていることを示した.本年度は,これらの結果をもとに,従来別々に扱われてきた特徴抽出と判別分析を統一する枠組みを提案した.提案された枠組みでは明示的に正則化の形で複雑さの制御が扱われ,解は凸最適化問題を解くことで得られるため,安定して得ることができ,さらに,一般に係数行列が低ランクで得られる.従来,統一的なアプローチに対してデータ依存で事前処理をする方法の方が解釈のし易さの上で勝っていると考えられていたが,本年度提案する手法は統一的な視点と解釈のし易さを併せ持ち,なおかつ凸最適化問題として効率的に解けることが示された.この方法は一見,特異性を持つ学習問題でも扱いやすい形にうまく定式化しなおすことができることを示唆しており,縮小ランク回帰など,従来扱いづらいと思われてきたモデルにも適用することができる.
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Research Products
(6 results)