2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11868
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 宏平 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抵抗メモリ / 相変化 / 酸化物薄膜 / 酸化物デバイス / ヘテロ接合 / 二元系遷移金属酸化物 / キャパシタ |
Research Abstract |
金属/遷移金属酸化物/金属サンドイッチ構造における抵抗スイッチング効果に関する研究 遷移金属酸化物が示す抵抗スイッチング効果が大きな注目を集め,活発に研究されている.その動機は二つあり,次世代不揮発性メモリである抵抗メモリ素子への応用及び現象の物理的起源の解明である.著者はこれまでに,CuOにおける抵抗スイッチング効果の舞台が,ソフト絶縁破壊操作によって酸化物中に形成される導電性パスであることを明らかにしてきた.本年度は以下の実験を行った. 1,導電性パスの形成位置及びサイズの制御 パスの形成は一種の絶縁破壊であることが昨年度までの結果から明らかになっているため,局所的な電界集中領域を電極パターンに導入することで,パスの形成位置制御を試みた.形成されたパスは電界集中領域にピン止めされるとともに,電極間距離の調整によって,パスサイズを減少させることも出来ることが分かった.また,それに伴って,スイッチング電圧・電流が大幅に低減されることも分かった.即ち,当該効果は将来の素子微細化・高集積化の中でも高いポテンシャルを有する. 2,導電性パスの化学分析 導電性パスは酸化物が溶融しな外観を持つ.抵抗スイッチング動作の低抵抗状態では,素子は金属伝導を示すため,母体酸化物の還元による金属の形成が期待される.この推測に基づいて,光電子顕微鏡・エネルギー分散型X線分析などによる化学組成の評価(Cuの価数分析・定性定量分析)を行った結果,パス構造は強く還元されたCuOから成ることが明らかになり,また金属Cuの存在も強く示唆された.化学状態は空間的に不均ーであることから,一種の非平衡的な反応の関与が推察される. 2,導電性パスの化学分析 導電性パスは酸化物が溶融しな外観を持つ.抵抗スイッチング動作の低抵抗状態では,素子は金属伝導を示すため,母体酸化物の還元による金属の形成が期待される.この推測に基づいて,光電子顕微鏡・エネルギー分散型X線分析などによる化学組成の評価(Cuの価数分析・定性定量分析)を行った結果,パス構造は強く還元されたCuOから成ることが明らかになり,また金属Cuの存在も強く示唆された.化学状態は空間的に不均ーであることから,一種の非平衡的な反応の関与が推察される.
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