2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体型人工DNAによる金属イオンのヘテロ集積化と新規機能発現制御
Project/Area Number |
05J11921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹澤 悠典 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNA / 人工ヌクレオシド / 人工塩基対 / 集積型金属錯体 / 自己集積化 |
Research Abstract |
本研究は、核酸塩基として金属配位子を有する人工DNAをテンプレートとして、DNA中に多種・多数の金属イオンをデザインした配列や個数で集積することを目的としている。今までに、Cu^<2+>イオンにより選択的に金属錯体型塩基対を形成するヒドロキシピリドン型(H)、およびHg^<2+>イオンに選択的なピリジン型ヌクレオシド(P)をDNAオリゴマー中に導入し、DNA上の配位子の配列をテ:ンプレートとして、Cu^<2+>イオンとHg^<2+>イオンとを位置選択的に配列化することに成功した(Nature Nanotech(2006))。 そこで、配列できる金属イオンの種類を拡張するために、ソフトな金属配位子を有するメルカプトピリドン型ヌクレオシド(S)をデザイン・合成した。紫外可視(UV-vis)吸収スペクトルを用いた金属イオンの適定実験、およびマススペクトル測定から、ヌクレオシドSがPd^<2+>イオンやNi^<2+>イオンと2:1錯体を形成し、S-Pd^<2+>/Ni^<2+>-S塩基対を定量的に形成したことが示された(J.Org.Chem.投稿中)。このように、ヌクレオシドを適切にデザインすることにより、DNA鎖中に導入できる金属イオンの種類を拡張することに成功した。 さらにDNA三重鎖モチーフを用いて六配位型の金属イオンを配列することを考え、人工ヌクレオシドのみからなるDNAオリゴマー5'-H_n-3'(n=2-4)を合成した。Fe^<3+>イオンの滴定実験およびマススペクトル測定から、3:1錯体H_3Fe^<3+>の形成によって、Fe^<3+>イオンの一次元配列d(5'-H_n-3')_3・Fe^<3+>_n(n=2-4)が定量的に構築できたことが示された(投稿準備中)。 以上のように、数や配列を自由にデザインして合成できる人工DNAの特性を生かし、DNAの骨格構造の中に同種・異種の金属イオンを望んだ数や配列で一次元的に集積する方法論を確立した。
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Research Products
(1 results)