2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横田 実咲 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 縮合多環式芳香族化合物 / フルオロアルケン / Friedel-Crafts型環化 / S_N2'型反応 / フルオロアレン / 遷移金属錯体触媒 / ルイス酸 / カチオン環化 |
Research Abstract |
ヘリセンやアセンに代表される縮合多環式芳香族化合物は、特異な構造や電子的性質を有しており、有機分子半導体や有機分子薄膜、液晶などへの応用が期待される。本研究では、カチオン環化を基盤とする縮合多環式芳香族化合物の新規合成法確立を目指し、これらの鍵反応となるビニル位あるいはアリル位にフッ素を有するアルケンのフッ素置換反応を3種開発した。 1.2-トリフルオロメチル-1-アルケンに対し塩化ジエチルアルミニウムを添加すると、アレーンのような弱い求核剤でもS_N2'型のフッ素置換反応が進行することを見出した。分子内のホモアリル位にアリール基を有するトリフルオロメチルアルケンでは、分子内S_N2'型反応によりexo-ジフルオロメチレン基を有する環化生成物が収率良く得られ、また分子間反応では各種3,3-ジフルオロアリルアレーンを与えた。 2.電子木足な1,1-ジフルオロ-1-アルケンの求電子的な活性化は困難とされるが、これをカチオン性遷移金属錯体である[Pd(MeCN)_4](BF_4)_2を用いた穏やかな条件下で達成した。これにより、分子内にブリール基を有するジフルオロアルケンから、Friede1-Crafts型環化を経て二環式ケトンへと変換した。ここでは、等モル量のBF_3・OEt_2の添加により活性なカチオン性錯体を再生し、Pdの触媒化にも成功した。 3.1,1一ジフルオロアレンは、高い反応性が期待できるもののその合成には制約があった。市販の1,1-ジブロモ-2,2-ジフルオロエテンとアルデヒドあるいはケトンからアリルアセテートを経る2段階で、一置換および二置換の1,1-ジフルオロアレンを合成した。調製したジフルオロアレンは、BF_3・OEt_2によって求電子的に活性化し、アレニルカチオンを経申するFriedel-Crafts型環化と転位によりフルオロナフタレン誘導体を与えた。
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Research Products
(5 results)