2006 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的不斉四置換炭素構築型アルドール反応を基盤とした多置換不斉ユニット合成と展開
Project/Area Number |
05J11944
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生長 幸之助 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有機合成化学 / 不斉触媒 / アルドール反応 |
Research Abstract |
1.実用的なケトンへの触媒的不斉アルドール反応の開発 当研究室で開発した一価フッ化銅触媒を用いるケトンへのアルドール反応は、低不斉収率が最大の問題点であつたが、新規にチューニングしたTaniaphos配位子を用い、不斉収率を実用レベル(up to 94% ee)にまで向上させることができた。その過程で反応性の低下が問題点として浮上したが、PhBF_3Kを触媒量添加することで解決できた。NMR実験いよりPhBF3Kの詳細なはたらきを明らかにすることも出来た。(J.Am.Chem.Soc.2006,128,7164.) 2.ケトイミンへの触媒的不斉アリル化反応の開発 CuF-LiOi-Prおよび新規にチューニングしたcyclopenty1-DuPHOS配位子を用いることで、ケトイミンへの触媒的不斉アリル化反応に成功した。基質一般性に改善の余地を残すものの、本報告は低反応性のケトイミンを用いた、世界初の触媒的不斉アリル化の成功例である。(J.Am.Chem.Soc.2006,128,7687.) 3.アレニックエステルを用いるケトンへの触媒的還元的不斉アルドール反応の開発 CuOAc-DTBM-SEGPHOS触媒およびアレニックエステルをエノラート前駆体として用いる系にPCy_3を添加剤として用いることで、ケトンへの触媒的還元的不斉アルドール反応の収率改善に成功し、ほぼ定量的な収率かつ最高99%eeにて目的とするγ-cis-アルドール付加体を得ることに成功した。また、新規にチューニングしたTaniaphos配位子を用いることで、位置選択性の完全なスイッチングが観測され、条件最適化によりα-付加体を高いレジオ・ジアステレオ・エナンチオ選択的にて得ることにも成功した。(J.Am.Chem.Soc.2006,128,14440.)
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Catalytic Enantioselective Allylation of Ketoimines2006
Author(s)
Wada, R., Shibuguchi, T., Makino, S., Oisaki, K., Kanai, M., Shibasaki, M.
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 128(23)
Pages: 7687-7691
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