2005 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MR構造面像に基づいたサル大脳連合野記憶ニューロンの層分布マッピング
Project/Area Number |
05J11962
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小谷野 賢治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MRI / 皮質層構造 / 視覚連合記憶 / 電気生理 / 高次認知機能 / 霊長類 / 微小電極 |
Research Abstract |
本研究では、電気生理学的手法と磁気共鳴画像法(MRI)の併用により個々の神経細胞の活動記録部位を正確に同定することで、視覚連合記憶に関わる神経細胞の性質と大脳皮質層構造の関係を解明することを目的としている。本年度においては、単一神経細胞活動の記録部位を高磁場4.7テスラMRIにより同定する手法の開発を主に行なった。この手法の開発には、ニホンザル1頭およびアカゲザル2頭を用いた。最初に、予備実験により側頭葉の大脳皮質層構造が判別可能な超高解像度(150μm^2)のMRI構造画像の撮像条件を検討した。麻酔下のサルを用いて、動きや磁化率の違いに起因するアーチファクトを軽減し、かつ高いS/N比と良好なコントラストを共に実現する撮像シークエンスおよび送受信コイルを決定した。次いでガラス被覆タングステン微小電極を用いて、その記録部位をMRIにより同定するための手法を確立した。まず、微小電極を硫酸銅溶液中に沈め撮像することで、微小電極の記録部位を同定するための撮像条件を検討した。その結果、撮像時の磁場との位置関係を調整することで、MRI画像上における微小電極の記録部位が正確に同定できることを見出した。また、この条件はサル大脳側頭葉の超高解像度構造画像を取得するために必要な撮像条件と両立することを確認した。これら成果の概要は、2005年に米国ワシントンDCにて行なわれた北米神経科学大会にて報告した。最後に、上記の予備実験により最適化された諸条件を用いて、実際にサル側頭葉内に刺入したタングステン電極を撮像し、その記録部位の位置を超高解像度(150μm^2)の構造画像上で同定した。組織切片上で同定した電気的凝固標識と比較しその誤差を評価したところ、MRIによる位置同定は画像の解像度と同程度の±150μmという高い精度を持つことが示された。上記成果は論文としてまとめ投稿中である。
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Research Products
(3 results)