2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポストシナプスにおける分子動態の総合的イメージング
Project/Area Number |
05J11967
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 哉 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シナプス / シグナル変換 / イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、ポストシナプスでのシグナル伝達過程を高い時空間分解能で可視化して定量的解析を行い、神経細胞間の電気シグナルパターンから神経細胞内の化学シグナルパターンへの変換過程にひそむ原理を解明することである。 初年度である平成17年度は本研究を進める上で必要不可欠な基礎技術の開発・確立に焦点をしぼり、以下を行った。 (1)、時空間分解能の高い刺激方法の確立 単一シナプスレベルでのシグナル伝達過程を解析するために、時空間分解能よく刺激ができるUVレーザーでのケイジドグルタミン酸のアンケイジングを利用した。まず、海馬分散培養系および海馬スライス培養系を用い、Ca^<2+>流入の局所性を指標にレーザーの強度、照射位置、ケイジド化合物濃度の条件検討を行い、単一シナプスレベルでの刺激方法を確立した。また、刺激パターンと神経応答の関連を解析するため、より複雑な時空間パターンでのアンケイジングが可能なセットアップを完成させた。 (2)、神経細胞内シグナル伝達を可視化する分子プローブの開発 本研究ではCa^<2+>流入およびCa^<2+>により活性化される分子群のシグナル伝達過程に注目し、それを可視化するFRETプローブを開発した。シナプスのような極小空間でシグナル伝達を可視化するには、より高輝度かつ変化の大きいプローブが要求される。そこで、蛍光タンパクの種類や融合部位、融合角度、リンカーなど様々な条件を検討した。その結果、より高輝度で変化が大きく、かつアグリゲーションを起こさない新規プローブを開発した。そして、この新規プローブを用いてポストシナプスでのシグナル伝達過程の可視化に成功した。
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