2005 Fiscal Year Annual Research Report
頭部神経堤細胞に由来する組織、器官の形態形成機序の解明
Project/Area Number |
05J11977
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
礪波 一夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 鰓弓 / エンドセリン / ET / 微小管 / Tubulin / microtubules / カルパイン / calpain |
Research Abstract |
本年度は同定した鰓弓形成に関与するエンドセリン-1(ET-1)ジグナルの下流遺伝子Calpain6(Capn6)の機能解析を重点的に行った。本研究で作製した特異抗体による免疫染色や融合タンパク質の過剰発現からCapn6と細胞骨格を形成する微小管との共局在を明らかとしていた。両者の共局在が特に核周囲で強く認められことやTaxolを用いた免疫染色および共沈試験によりCapn6が安定化した微小管と結合していることを確認した。さらにGST融合タンパク質と重合精製Tubulinの結合試験により両者が直接的に結合すること、微小管への結合がC2 domain様構造をもつDomainIII領域を介していることを明らかとした。そこでCapn6の微小管に対する作用を解析するためHeLa細胞、NIH3T3細胞に強制発現させたところ、細胞質分裂異常による多核化細胞が多数出現し、多くの細胞で核周囲における微小管の束化や細胞質分裂の遅延が認められた。さらにRNAiにより内因性Capn6をノックダウン(KD)すると核周囲を中心に微小管構造の退縮が認められ、GFP-Tubulin融合タンパクを共発現した細胞では微小管の束化が失われる傾向が明らかとなった。また、Capn6のKDにより安定化Tubulinの修飾体であるアセチル化Tubulinの顕著な退縮が認められた。 これまでCapn6の機能は未知であったが、本年度の研究により微小管安定化を介して細胞形態や機能維持に関与している可能性が示唆された。 なお、解析中のCapn6ノックアウトマウス(KO)は低形質変異体であることから、明らかな形態異常は認められないものの血液系に表現型がみられ、現在解析中である。また現在培養細胞系で得られた知見を基に機能領域を標的としたKOを作製中である。
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Research Products
(2 results)