2005 Fiscal Year Annual Research Report
血行性癌転移形成に関与する血小板凝集因子Aggrusの機能解析
Project/Area Number |
05J11979
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
国田 朱子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 転移 / 血小板 / 抗体 |
Research Abstract |
血小板凝集因子Aggrus/podoplaninは当研究室においてマウス高転移癌細胞株から同定された。Aggrusの血小板凝集における作用機序は不明であったことから、まずヒトAggrusの活性化部位の同定を行った。同定した活性部位に変異を導入した変異体を作製しマウス実験的肺転移能を検討した結果、変異体では転移結節がほとんど認められなかったことから確かにこの部位が活性部位として機能することを明らかにした。今後はAggrusが血小板活性化を引き起こす詳しい作用機序を明らかにしていく。そのためAggrusの血小板表面のレセプターの探索を行っておりAggrusと結合能を持つ数種類の分子の同定に成功した。またAggrusを標的とした癌転移抑制分子の探索の為、Aggrusの遺伝子発現を効率的に抑制するsiRNAを数種類デザインし、Aggrus特異的に且つ効率的に抑制可能なsiRNAを得た。このsiRNAをAggrus発現株である肺癌細胞H226へ導入するとH226による血小板凝集が顕著に抑制された。現在siRNAによりH226によるマウス実験的肺転移が抑制されるか検討中である。またヒトAggrusに対するモノクローナル抗体を作製し、取得された抗体がAggrusによる血小板凝集を抑制することを確認した。この抗体のエピトープにAggrusの活性部位を含むものもあり、現在Aggrusによる癌転移が抗体により抑制されるか動物実験にて検討中である。得られたsiRNAおよび抗体が実験的転移を抑制することが確認された場合は既知の抗癌剤等と併用してさらなる抗転移能が見られる条件を決定し臨床応用を目指す。またAggrusのヒト癌における発現を検討するため様々な癌の各組織型における発現を免疫組織染色により確認した。その中で、特に脳腫瘍におけるAggrusの発現が高いことを見いだした。
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Research Products
(2 results)