2007 Fiscal Year Annual Research Report
GTP結合蛋白質DRGファミリーとその結合蛋白質の生理機能解明
Project/Area Number |
05J11990
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 公輔 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DRG / DFRP / GTPase / GTP binding protein / 増殖 / 翻訳 / ストレス応答 / 高次 |
Research Abstract |
真核生物で高度に保存され、癌細胞の増殖機構に関与すると考えられるDRG1とDRG2からなるGTP結合蛋白質DRG(developmentary regulated GTP-binding protein)ファミリーの機能解明のために、昨年度までにそれぞれ特異的に結合するDFRP1とDFRP2からなるDFRP(DRG family regulatory protein)ファミリーを同定した。Xenopusの発現解析により、初期胚での増殖機構に関わることが強く示唆されたが、出芽酵母でのノックアウト解析では通常の増殖に関与しないことが示された。そこで、特殊な条件が機能の露呈に必要なのではないかという仮説を提示した。Dfrp2のN末端はアミノ酸飢餓ストレスに適応するための生体制御システムGeneral amino acid control(GAAC)において必須となるeIF2α kinase Gcn2のGIドメインと相同性が高い。Gcn2はGIドメインによってGAACに必須なGcn1への結合・活性化を行う。本研究ではDfrp2がGIドメインを介してGcn1に結合しlGcn2の活性化を競合阻害することを見出した。さらに、非常に強いアミノ酸飢餓ストレスを模倣する強い活性化型Gcn2変異体存在下ではDfrp2のGcn2抑制機能が細胞の増殖に有利に働くことが示唆された。さらにDrg2をDfrp2と共発現させると、Dfrp2の発現が上昇し、Dfrp2によるGcn2の抑制活性が高まることが明らかとなり、Drg2が複合体の中でDfrp2の活性を制御する調節ユニットであることが示唆された。以上、本研究は癌増殖細胞の高い蛋白生産環壌で起こりうる強いアミノ酸飢餓ストレスを抑制し、増殖へ有利に働く高次メカニズムの解明に重要な貢献をなすと考えられる。
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