2007 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤突起においてMT1-MMPと相互作用する因子の網羅的解析
Project/Area Number |
05J11992
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 大輔 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MT1-MMP / RhoA / 浸潤突起 |
Research Abstract |
浸潤突起においてMT1-MMPと結合する分子としてX4を同定した。X4を発現させるとCdc42、Racの活性化には影響を及ぼさないがRhoA特異的に活性化が亢進した。さらにX4はRhoGDIとは結合しないが、p27^<kiPl>と直接結合しRhoAをp27^<kiPl>から解離させることを見出した。その結果、p27^<kiPl>非結合型RhoAはGEFsが結合可能となり活性化が亢進する。shRNAを用いて内在性X4をノックダウンしたところ、p27^<kiPl>とRhoA複合体が増加し、LPA、PMA刺激によるRhoA活性化が減少した。一方、siRNAにより内在性p27^<kiPl>をノックダウンするとRhoA活性化が亢進し、この際X4を発現させてもRhoA活性化はこれ以上増加しなかった。このことから、X4はp27^<kiPl>経路を介してRhoA活性化を制御していることが明らかになった。一方、X4は浸潤突起においてMT1-MMPと結合する分子として同定されたことから、X4の局在を調べた。X4は浸潤突起でMTI-MMP、コルタクチンと共局在することが明らかになった。さらに、X4発現抑制細胞では浸潤突起形成が有意に抑制された。これらのことから、X4は浸潤突起でRhoA活性化を調節することで浸潤突起形成を制御することが示唆された。浸潤突起は、癌転移に重要な役割を果たすことが多数報告されており、X4は癌転移の治療に大いに貢献する可能性がある。
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