2005 Fiscal Year Annual Research Report
トラフグにおける新規アドレノメデュリンファミリーの浸透圧調節作用
Project/Area Number |
05J12006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御輿 真穂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アドレノメデュリン / 浸透圧調節 / 比較内分泌学 |
Research Abstract |
トラフグにおいて新規に同定したホルモンファミリーであるアドレノメデュリン(AM)ファミリーが、魚類の浸透圧調節に関与しているかどうかを調べた。代表的な浸透圧調節器官である下垂体、鰓および腎臓において、海水とは異なる浸透圧環境にトラフグを移行させた時にAM遺伝子の発現がどう変化するかを、リアルタイムPCR法を用いて解析した。その結果、トラフグにとって十分適応できる環境である、10%海水および150%海水への移行では、どの器官においてもAM1、2遺伝子の発現に変化はみられなかった。完全な淡水へ移行した群では、鰓において移行後3日後にAM1遺伝子の発現が有意に増加した。また、下垂体においては淡水への移行後一時的にAM1遺伝子の発現が増加し、AM2遺伝子は3日後に発現が抑制された。AM2はティラピアの下垂体において、海水適応ホルモンである成長ホルモン(GH)の分泌を促進したため、体液よりも高い浸透圧環境に適応する際に体液調節に関わっている可能性がある。 そこで、下垂体におけるAM2分泌細胞を特定しようと試みた。トラフグAM2を抗原として作製した抗体を用いてトラフグ下垂体の免疫染色を行ったところ、神経葉に免疫陽性反応がみられた。また、視床下部の室旁核にも免疫陽性細胞がみられた。ポジティブコントロールとして、アルギニンバソトシン(AVT)抗体による免疫染色を行ったところ、その結果はAM2抗体の染色結果と一致した。現在、in situ hybridization法によって、AM2産生細胞の確定を試みている。
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Research Products
(2 results)