2007 Fiscal Year Annual Research Report
分裂期キナーゼPlk1の新規基質の同定とその機能およびリン酸化の意義の解析
Project/Area Number |
05J12008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
押森 直木 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Polo-like kinase 1 / 中心体 / 分裂期 / リン酸化 / Cep72 / 微小管重合 |
Research Abstract |
分裂期キナーゼPlklの基質として同定したKizが、分裂期中心体の安定化に必須の役割を果たすことを前年度までに明らかにした。しかしながら、その分子メカニズムの詳細については不明な点が多く残されていた。今年度は、Kiz結合蛋白質を酵母Two-hybrid法によりスクリーニングし、候補分子として見出した未解析の中心体蛋白質Cep72の解析を通して、分裂期中心体の構造と機能の協調的制御についてアプローチした。 まず、Cep72発現抑制はKizの中心体局在を損なわせることから、Cep72はKizを中心体にリクルートする働きを担っていることを見出した。Cep72発現抑制細胞においても、Kiz発現抑制と同様、多極紡錘体を示す分裂期細胞の割合が増加した。しかしながらKizと異なり、Cep72発現抑制の場合、紡錘体極のγ-tubulinシグナルの収斂不全の様子を呈した。主要な中心体構成因子の局在を調べた結果、CG-NAPという巨大なcoiled-coil蛋白質の局在がCep72に依存していることが明らかとなった。さらに、CG-NAP発現抑制においてもγ-tubulinシグナルの収斂不全が見られたため、Cep72はKizの制御に加えて、CG-NAPの局在制御を通して中心体機能に関ることが予想された。その後の解析から、CG-NAPは分裂期中心体の微小管重合活性に大きく寄与していること、そして、その欠失は染色体依存的に重合された微小管の中心体への収束を不可能にすることを明らかとした。さらに、PCM-1依存的な中心体構造蛋白質のリクルート、Plk1によるリン酸化の時期的な協調から、分裂期中心体を制御する複数の経路の協調モデルと中心体の構造機能単位を提唱できたと考えられる。
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Research Products
(5 results)