2007 Fiscal Year Annual Research Report
Bub1キナーゼによる動原体因子シュゴシンの機能および局在の分子制御機構
Project/Area Number |
05J12011
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 茂裕 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | シュゴシン / Aurora B 複合体 / スピンドルチェックポイント / セントロメア / 体細胞分裂 / 減数分裂 / 染色体分配 |
Research Abstract |
シュゴシンは進化上保存された動原体タンパク質であり、分裂酵母にはSgo1およびSgo2の二つのパラログが存在する。Sgo1は減数分裂特異的な因子であり、プロテインフォスファターゼPP2Aと協調して、減数第一分裂時に姉妹セントロメア間の接着を保護する。一方、Sgo2は体細胞分裂と減数分裂の両方の時期において動原体に局在し、正確な染色体分配を行うために重要な役割をもつことが示唆されていたが、その分子機構については不明であった。sgo2破壊株を詳細に解析した結果、Sgo2はSgo1とは異なり、分裂期において姉妹セントロメア間の接着の保護には必要なく、その代わりにスピンドルチェックポイントの活性化、および、間違った結合の修正機構において重要な働きをもつことが分かった。さらに、sgo2破壊株のこれらの表現型はAurora Bキナーゼ変異株の表現型と酷似していることが分かった。Sgo2とAuroraB/Ark1の細胞内局在を詳細に比較した結果、Sgo2は分裂前期から中期にかけてセントロメア領域においてAurora B複合体の構成因子の一つであるBir1/Survivinと相互作用して共局在することがわかった。体細胞分裂期における両者の局在の相互依存関係を調べると、ark1変異株ではSgo2のセントロメア局在は正常なのに対し、sgo2破壊株ではArk1のセントロメア局在は顕著に減少していた。さらに、Bir1を強制的にセントロメアに局在化させることで、sgo2破壊株の欠損を部分的に抑圧した。以上の結果から、分裂酵母シュゴシンSgo2は、Aurora B複合体をセントロメアに局在化させ、動原体の二極性動原体接着を保証していることが明らかとなった。
|