2006 Fiscal Year Annual Research Report
線虫の成長に伴う神経突起の除去における新規転写因子MBR-1の機能の解析
Project/Area Number |
05J12027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 悠 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 線虫 / 能 / 神経回路形成 / 神経突起除去 / 転写因子 / マイクロアレイ / MBR-1 |
Research Abstract |
私は、線虫の成長過程で神経突起除去が起こることを初めて報告し、その分子機構及び生理的意義の解析に取り組んでいる。平成17年度までに、この神経回路の再編成の過程に新規転写因子であるMBR-1が関わること、そして、神経回路再編成時のMBR-1遺伝子の発現誘導にホメオドメイン転写因子であるUNC-86が重要であることを報告した。これにより、神経突起除去がどのように時期的あるいは空間的な制御を受けるかの一端が明らかとなった(Hayashi & Kage et al. Current Biology,15,1554-1558,2005)。そこで、平成18年度は、さらに、転写因子であるMBR-1が実際にどのような実働分子の発現を誘導することで神経突起除去を引き起こしているのかを検討するために、MBR-1の標的遺伝子の探索を試みた。以下にその概要を述べる。 方法としては、マイクロアレイ法により、野生株とmbr-1変異株との間で遺伝子発現強度の網羅的な比較を行った。マイクロアレイ法は擬陽性の多い系ではあるが、現在までに、20個近い候補遺伝子の発現強度が.mbr-1変異体と野生株とで異なることを、より定量性の高い実験手法である定量的RT-PCRによっても確認している。現在は、神経系におけるRNAiによる遺伝子機能阻害のための条件検討を行っており、今後はマイクロアレイ法で得られた候補遺伝子と神経突起除去の関与についての検討を実施する予定である。
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