2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックメダカの作出と味覚認識・応答の解析
Project/Area Number |
05J12047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藍原 祥子 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 味神経 / PLC-β2 / 脳感覚神経節 |
Research Abstract |
化学受容の一端を担う味覚系は脊椎動物共通の感覚器官である。味覚受容の最初のステップである物質受容と味細胞内シグナル伝達は分子機構が明らかになりつつあるのに対し、より上流の味神経回路では、機能の詳細や関与する分子群ともに不明な点が多く残されている。我々は、共通の味覚系組織を有しながら解剖学的に有利なモデル魚類、メダカを用いて味神経回路の解析に取り組んでいる。まず、味神経の組織学的な位置情報を把握することを目標に、味神経が含まれる脳感覚神経(第VII、第IX、第X)において発現する因子の探索を行った。Phox2b遺伝子は、中枢神経系や末梢神経系の発生に関与する転写因子で、発生初期の感覚脳神経系で発現する。メダカ相同遺伝子に対してin situハイブリダイゼーションで発現解析を行ったところ、成魚の感覚脳神経節(第VII、第IX、第X)でも強いシグナルが観察された。一方、味神経を機能学的に追跡するために、経シナプストレーサーである小麦胚芽レクチン(WGA)を用いた遺伝学的な標識を試みた。ホスホリパーゼC-β2(PLC-β2)は、味蕾細胞の大部分の細胞に発現し、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)を介した味覚シグナル伝達を担う。すでに我々はこの遺伝子の上流約1.6kbpの領域が、外来遺伝子に対しプロモーター活性を持つことを示している。メダカPLC-β2プロモーターにWGAを連結したコンストラクトを用いてトランスジェニックメダカの作出を行い、トランスジーンが挿入された個体においてWGAの発現解析を行ったところ、くWGAのmRNAは非常に弱く発現していた。
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