2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸管と多様な生体異物の相互作用及びその認識機構の解析
Project/Area Number |
05J12049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
夏目 やよい The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラボノイド / ケルセチン / 小腸 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
二週間培養し充分に分化させたCaco-2細胞、およびLS180細胞に様々な小胞体ストレス誘導剤tunicamycin(TM)、A23187、thapsigargin(Tg)、A23187)と同時にquercetinを処理したところ、誘導剤の濃度依存的・曝露時間依存的に発現が亢進する小胞体ストレスマーカー(GRP78とCHOP mRNA)がケルセチン濃度依存的に減少されることを見出した。 また、quercetinが小胞体ストレスセンサータンパク質であるIRE1とPERKの活性に与える影響を調べた。LS180細胞にA23187あるいはthapsigarginとquercetinを同時添加し、RT-PCRによりIRE1活性の指標であるXBP-1 mRNAのスプライシングを検討した結果、スプライシングはquercetin濃度依存的に抑制された一方、quercetin単独処理により逆に亢進した。PERK活性の指標として、ウェスタンブロット解析によりeIF2・のリン酸化を、metabolic labelingにより新規タンパク質合成のシャットダウンを調べた結果でも、XBP-1 mRNAのスプライシングと同じ傾向が認められた。 続いて、quercetinはPI3K(Phosphatidilinositol-3 kinase)の阻害剤であることが知られているため、LS180細胞に代表的なPI3K阻害剤(LY294002及びwortmannin)とthapsigarginを同時添加してGRP78 mRNA量の変化を調べた。その結果、PI3K阻害剤濃度依存的にGRP78 mRNAの発現亢進が抑制された。更に、quercetinとLY294002による相加的な抑制は認められなかった。
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Research Products
(3 results)