2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全型の作物栽培管理技術が土壌の生物性・化学性・物理性に及ぼす影響
Project/Area Number |
05J12067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 土壌生態系 / 環境保全型耕起 / 有機物分解過程 / 土壌微生物 / 線虫 / ヒメミミズ / 小型節足動物 / リターバッグ法 |
Research Abstract |
試験は東北農業研究センター(福島市:黒ボク土)内の圃場で行った.この圃場内に不耕起(NT)区と耕起(CT,深さ20cmのロータリー耕)区を設け堆肥の有無を組み合わせ,年2回(春作・秋作)のライムギ栽培を行った.3種のメッシュサイズ(0.02mm,0.19mm,1.5mm)のリターバッグにマメ科とイネ科の残渣をそれぞれ詰め,作物生育中期に地中(深さ2.5-7.5cm)に埋設し,埋設後1週間おきに計4回の回収を行いリター分解率とリターバッグ内生物性(微生物・線虫・ヒメミミズ・小型節足動物)及び化学性(CN比)を調査した.同時に,埋設周辺土壌(深さ0-10cm)の生物性(リターバッグと同項目,及びミミズの糞)・化学性(CN比)・物理性(団粒・孔隙)についても,作物収穫前に調査を行った.堆肥が,リター分解率,リターバッグ内生物性,及び周辺土壌の生物性に与える影響は明瞭ではなかった.一方,リター分解率はNTで大きく,リターバッグ内のヒメミミズはNTで小型節足動物の個体数はCTで大きく,周辺土壌のヒメミミズとミミズはNTで多く,団粒はNTで発達するなど,耕起法の違いにより有意な影響を受けていた.メッシュサイズによりメッシュ内に進入する生物が制限されていたが,メッシュの違いはリター分解率に有意な影響を与えていなかった.時系列調査により,埋設後1週間で初期重量の3〜4割が急速に分解され,その後分解は緩やかに進み4週間後には6〜7割が分解されることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)