2005 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境適応機構における自律神経系機能の役割と意義に関する研究
Project/Area Number |
05J12073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 友浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低酸素 / テレメトリー法 / 自律神経 / 心拍変動解析 / ラット |
Research Abstract |
本年度は、低酸素環境におけるin vivoでの自律神経系機能と体温調節との関連性を明らかにするために、酸素10%・窒素90%の低酸素環境における意識下の血圧波形・体温・活動量をテレメトリー法を用いて連続測定した。得られた血圧波形から平均血圧・心拍数をもとめ、血圧・心拍変動解析を行い、交感・副交感神経系活動の指標をもとめた。血圧、心拍数、体温・活動量は低酸素曝露直後より低下し始めた。同時に血圧変動交感神経指標(BP-LF)が低下し、心拍変動副交感神経指標(HR-HF)は増加していた。その後曝露2日目あたりから、各指標ともに曝露前の指標に近づいた。その後、血圧・心拍数・体温の日内変動周期は回復したが、これらの指標の日内変動の振幅は減少していた。これらの3つの指標の変化の様子には正の相関が見られたが、活動量はこれらの指標との関係はみられなかった。また、BP-LF・HR-HFはこの3指標と7日程度までは正の相関をもっていた。その後BP-LFでは相関関係はみられなくなったが、HR-HFでは特に心拍数と強い相関を持っていた。このことより、低酸素環境における体温調節には活動量よりも自律神経系機能および心血管系機能との関係が強いことが示唆された。今後は、交感神経遮断薬および副交感神経遮断薬の慢性投与時における各指標の変化を調べることで低酸素環境における自律神経系機能と体温調節との関連性がはっきりすると考えられた。
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Research Products
(1 results)