2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J12076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 啓文 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 胎盤 / 栄養膜細胞 / DNA傷害 / アポトーシス / p53 |
Research Abstract |
本研究は胎盤におけるDNA傷害の影響とその機序を明らかにすることを目的としている。 今年度の研究では、妊娠12日目のマウスに、etoposide 10mg/kgを腹腔内投与、またはγ線5 Gyを全身照射し、それぞれ8および24時間後、6および24時間後に胎盤を採材した。両者とも、DNAに二本鎖切断を生じさせる。 その結果、etoposide、またはγ線処置により、処置6〜24時間後に胎盤迷路部栄養膜細胞においてアポトーシスマーカーであるTUNEL染色に陽性を示す細胞数が増加した。また、いずれの処置によっても、6または8時間後にp53タンパク質の発現上昇およびリン酸化の充進がWestern blotting(WB)および免疫染色によって確認された。さらに、p53欠損マウスの胎盤では、etoposide投与によるアポトーシス誘導が顕著に抑制されていた。これらの結果から、p53がDNA二本鎖切断による胎盤アポトーシスに関与していることが示された。 胎盤栄養膜細胞の増殖活性を評価したところ、etoposide投与8時間後およびγ線照射6時間後に、分裂像数の減少が認められた。そこで、細胞周期の変動を調べるためにCyclinA,B,D,Eのタンパク質発現量をWBで調べたところ、etoposide投与およびγ線照射の後にCyclin B1の発現上昇が認められた。Cyclin B1は、細胞分裂を開始させる働きがあり、M期中期にその働きを終えるとすみやかに分解される。栄養膜細胞の分裂像数が減少しているのにもかかわらずCyciin B1の発現が上昇したことにより、細胞周期がG2/M期境界で停止していることが考えられた。
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Research Products
(3 results)