2005 Fiscal Year Annual Research Report
組換え体とFRET法を用いた、ダイニンすべり運動を引き起こす構造変化の検出
Project/Area Number |
05J12089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
最上 聡文 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダイニン / FRET / 細胞性粘菌 / FlAsH / ストップトフロー |
Research Abstract |
1.ダイニンのATP加水分解反応の中間状態と構造変化の共役を検出する蛍光プローブとして、蛍光色素FlAsHを導入した。蛍光色素FlAsHが特異的に結合する-Cys-Cys-Gly-Pro-Cys-Cys-(テトラシステイン配列)をダイニンのAAAリング内に挿入した組み換えダイニンを、計8種類作製した。そのうち、5種類の組み換えダイニンが、野生型とほぼ同程度のATP加水分解活性を保持していた。現在は、この5種類の組み換えダイニンについて、微小管すべり運動活性の測定条件の検討を行っている。また、ダイニンのAAAリング内に4箇所あるATP結合・加水分解部位のうちの任意箇所についてATPまたはADPの結合および解離を検出する目的で、蛍光ATPアナログであるMant-ATP/ADPとFlAsH間で起こるFRETを検出することをストップトフロー用いて試みている。 2.同様に、ダイニンのAAAリングの任意箇所にGFPを挿入した組み換え体を3種類作製した。これら組み換え体はATP加水分解活性と微小管すべり運動活性を保持していることを確認した。現在は、GFPとMant-ATP/ADP間で起こるFRETを検出することをストップトフローを用いて試みている。 3.ダイニンの4箇所あるATP/ADP結合部位の中にはADPを特異的に結合する部位があり、ADP結合によってダイニンの活性が制御を受けることが以前より報告されていたが、細胞性粘菌由来の細胞質ダイニンにおいても、ADP濃度によってその活性が制御されることを見出した。そして、ADPの結合親和性がATPと比べて高い部位が実際に存在することを確認した。
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Research Products
(1 results)