2006 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモンの脳内への輸送機構の解明及び甲状腺疾患と輸送機構との関連の考察
Project/Area Number |
05J12100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠山 季美夫 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トランスポーター / 血液脳関門 / 甲状腺ホルモン / Oatp1c1 / Oatp14 / Oatp1a4 / Oatp2 / T4 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
甲状腺ホルモン(TH)は身体の代謝の調節、脳・神経系の分化・発達・機能維持に重要な働きをしている。血中のTHは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンや甲状腺刺激ホルモンと協調することでその血中濃度が厳密に制御されている。血液中にはプロホルモンとなるT4のほか、T3が存在するが、脳へはT4として供給され、脳内でT3へと変換されると考えられている。 昨年度、私はin situ脳灌流法を用いて、血液脳関門を介したT4の脳内への取り込みに有機アニオントランスポーター(Oatp1c1)が一部関与していることを見出した。血液脳関門にはOatp1c1以外にも有機アニオントランスポーター(Oatp1a4)が発現しており、T4を基質とすることからT4の脳内への取り込みに関与していることが考えられた。そこで、Oatp1a4ノックアウトマウスと野生型マウスの脳内へのT4の取り込みクリアランスをin situ脳灌流法により測定し、Oatp1a4の関与を調べた。Oatp1a4ノックアウトマウスにおいてT4の脳内への取り込みが有意に減少(30%程度)していることが明らかになった。今回の結果からOatp1c1のみならずOatp1a4も血液脳関門を介したT4の取り込みに関与していることが明らかになった。中枢への甲状腺ホルモンの輸送機構の生理的働きを明らかにするために、現在Oatp1c1/Oatp1a4ダブルノックアウトマウスの作製を行っている。
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